肺塞栓
秋の風がさやかに吹く頃
みなさんお元気ですか。
癌と闘い無事生還できた男の物語。
いろいろな経験をしてきた私ですが、
これから少しづつ経験したことを
紹介したいと思っています。
癌と闘うみなさんに
何かのヒントになれば幸いです。
共に頑張ろう ! 仲間たち。
放射線治療を受けていた頃のお話しです。
癌が転移していると医師から告げられ
ショックを受けた私と家族。
「今は安静が大事です」よと医師は言います。
大動脈に癌が浸潤、癌が飛べばそれまで。
肺の血管に詰まればどうすることも
できない、ただ死を迎えるだけだと医師は
私の目を見据えて説明を終えました。
まるで覚悟だけはしておくようにと
私に聞こえた残酷な言葉です。
まずは大動脈にある癌を叩くために
抗がん剤より先に放射線治療を行います。
治療計画を話す医師。
私はネットで検索し、調べたところ癌がはがれ
血管に詰まれば、何の処置もできずに
「苦しみながら死を迎える」肺塞栓の可能性があることを
知り、不安に襲われたのを覚えています。
明日動くかもわからぬ癌細胞。
どうか、動くなと念じるだけでした。
静かな放射線治療の診察室。
専門医の説明を静かに聞いている私。
放射線を当てるときに体が動かぬよう
骨折したときに使うギブツのようなもので
型どりを始めます。
そして、体に油性ペンでマークを書いていく
まるで耳なし芳一のように。
その日はそれで終わり、いよいよ始まるのかと
不安と期待のなかで夜を過ごしました。
副作用
一回目の放射腺治療が始まります。
放射線を当てるのは10分から15分ぐらい、
何も変わりなく治療が終わりました。
体に何の変化もないので、放射腺は癌細胞に
効いているのか?不安な日々が続きます。
放射線科の医師から副作用について説明を
受けましたが、聞いていた副作用らしきものは
表れてきませんでした。
予定回数の放射線治療が終わり、
抗がん剤投与が始まりました。
私の体の反応が遅いのか?
しばらくして体に副作用が表れました。
体がだるくなり、吐き気、脱毛、下痢、など
放射線医師から聞いていた症状が出てきました。
食欲は落ち、食べられない日がつづき体が
やせ衰えていきます。
放射線治療が有効だったのか?わからぬまま
時間だけがむなしく過ぎていきます。
やがて退院許可が下り、自宅へと戻りました。
自宅での抗がん剤治療の始まり。
体調はあまりよくない中、抗がん剤を飲み続ける
日々がつづきます。
肺塞栓が起こる可能性は減ったのか?
自宅で過ごしていて大丈夫なのか?
癌細胞が動いたときに間に合うのか?
不安な気持ちがどんどん膨れ上がります。
そんな時に抗がん剤の副作用と思われる
症状が表れました。
手足の皮膚がめくれてくる、痛みが日に日に
ひどくなり、歩くことさえままならない痛み。
診察日に医師に相談し、肺塞栓のこと、
抗がん剤の副作用の辛さなど訴える私。
医師からかえってきた言葉はモルヒネ投与で
痛みを抑えるということ。
そのために入院が必要だということ。
やせ衰えた体で病院に向かう私。
何故?私だけ?
周りの景色が変わっていく。
人とは違う景色を見ているのだろう。
暗く、底なしの闇が私を襲います。
余命半年。
やがて消えていく命?
この世界から。
とてつもない不安が私の
心を支配し始めました。
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