2年間のブランク
会社復帰初日の一日が終わりました。
2年間の長い闘病生活から職場復帰へと舵を切った私です。
心地の良い汗が身体中の悪い物を流してくれるようです。
この感覚が私が待ち焦がれたっもの。
しかし現実世界は厳しく、抗がん剤の副作用が私を容赦なく襲うのです。
ある程度の覚悟を持って挑んだのですが「キツイ」 身体が悲鳴を上げています。
立ちくらみや足腰の痛み、息がつづかないなど思っていた以上に身体がなまっていました。
こんな身体でこの先やっていけるのか?
不安な心に押しつぶされそうになりながらもモルヒネを服用し、痛みと闘う私です。
世間では多くの方々が抗がん剤を服用しながら仕事に励んでいるよと医師から
聞いていた私、みなさんも痛みと闘いながら頑張っているんだと思いながら
癌に負けるものかと、これから続く長い仕事への感覚を取り戻そうと思っている。
ある意味、これからが本当の勝負ですね。
会社の理解があり、癌患者の私を受け入れてくれた職場のみんなに感謝しながらも
何か雰囲気が重苦しい職場復帰初日で。した
二日目の朝、身体のあちこちが痛み起きられない。
身体が慣れるまでの辛抱と無理をしながら会社へと向かいます。
職場では、私の病気は一部の人たちにしか伝えていません。
病み上がりと最初は寛大な心で見守っていた同僚の視線も厳しさを
増してきました。
こんなこともできないの?と若い社員の冷たい目に耐え忍ぶ毎日。
身体が慣れれば昔のように働けると思いながら耐えています。
時の流れは予想以上に早く、私は浦島太郎状態です。
ちょっとした仕事のやり方が変わっています。
覚えることが多く、管理職だったころの立場は通用しない現実。
新たな闘いが始まるのです。
病を患いながら、職場での同僚との人間関係を築くのは、ほんと大変ですよね。
働くことが当たり前だった、昔の感覚では通用しない私の身体です。
診察日
月に1回の診察日。
麻酔科の先生が心配な目で私を見つめる。
普通の人でもしんどいフルタイムで働くこと、いきなりは無理じゃないのかな?
医師はそう言います。
会社と話し合ってみては?
悪くなっていくのは「あっという間ですよ」せめて週三日、身体を慣らしながら
働くことはできませんかと?医師は言います。
無理ですよ!という私の顔を眺め医師はモルヒネの多様を薦めてくれました。
痛みがきつい時など服用してください。
眠気が出ない程度にね。
ここでも私を応援してくれる人がいます。ありがたいことです。
消化器内科の先生しかり、最も喜んでくれたのが緩和ケアの看護師さんです。
「良かったですね」笑顔で語るその姿に辛い仕事も頑張ろうと勇気をもらいました。
前回は、2ヵ月で悪化した癌細胞は今のところ変わりなく抗がん剤によって
抑えられています。
こんなことは奇跡ですよと看護師さんが言います。
一番苦しかった頃を共に歩んだ看護師さんの言葉には感謝の一言です。
私が助かった一番の要因は何でも話せる医療スタッフに恵まれていたのかも
わかりませんね。
自分のことのように相談に乗ってくれる看護師さんたちに喜んでもらえる
報告ができるのが今の幸せかも、それと家族に感謝ですね。
一度は死を覚悟した私と家族。
あれから2年余り苦しい時も愚痴も言わずに看病してくれた妻には
頭が上がりませんよね。
人は一人で生きているんじゃない。
支え支えられて生きていけるのだと感じています。
「ありがとう」
いい言葉ですよね。
職場の雰囲気
職場復帰から2週間ばかり過ぎたころ、
何か雰囲気が変わってくるのを感じています。
病気のことが知れ渡ったのかな?
私に対する態度が明らかに変わってきました。
日ごとに厳しさを増す同僚たちの視線。
何か私だけに許されている特別扱いが反感を招いているようです。
政府が働き改革を推し進める中、癌患者の復職に関する
差別とまでは言わないけれど、似たものを感じます。
癌患者も働きやすい職場の実現に向けた取り組みが、
これから進んでいくのを期待していますが、現実的には、まだまだですね。
多くの働く仲間がいる、いろんな病気に負けず働く仲間たちがいます。
私もその一人として癌患者でも遜色なく働けることを証明したいです。
後に続く仲間のためにも何ができるのか?日々考えています。
日本では二人にひとりが癌にかかり、3人に一人が亡くなる現実。
日本ラクビーの星「平尾誠二さん」が亡くなりましたね。
奇しくも同じ病、私には大きな衝撃でした。
元気で過ごしていらっしゃるとばかり思っていましたが
癌と闘っておられたのですね。
ラクビー界にとっては大損失、平尾さん自身も無念でしたでしょうね。
合掌。
生と死は残酷ですよね
癌と闘う目的は同じなのに結果が違う、何か不思議な力がそうさせるか?
癌の恐ろしさを感じた新聞記事でした。
私も死んでもおかしくなかったと改めて思います。
生きることへの執着、何でも相談できる仲間がいたこと。
そして、もって生まれた楽観的な生き方が幸いしたのでしょうか?
本質は闇の中。
IPS細胞の研究が劇的に癌患者の生存率を上げるような気がします。
そして、癌もまた、治る病気になることへの期待が膨らみます。
全国の癌患者さんに朗報が早くと届く良いですね。
その日が来るまで何とか頑張りたいと思います。
職場での人間関係が難しくなる中、生きる基本挨拶だけは
大きな声でして行きたい。
それが良い関係を築けると信じて、大きな声で挨拶をつづけていく。
最近は挨拶一つできない若者も増えています、嫌な相手だと
無視する古参社員もいます。
挨拶が返ってこようが返ってこなくても自分からは挨拶をし続けていこう
まずはそこから始めていく私です。
病に倒れる前の私への反省も込めて実践する大事なことです。
同じ船に乗る会社の同僚たち、家族感を持ち思いやりのある職場に
したいものです。
その第一歩が挨拶。
生きる上で基本となる挨拶ができない大人が確かにいます。
寂しいことですね。
職場での挨拶を大きな声で続けていき、人間関係を良いものにすれば
私のような癌患者にも道は開けていくように感じる。
病などに負けずに働いて行ける職場を目指して頑張るだけです。
2016年もあと少し、来年も生きていけると信じて頑張る私です。
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