2017年6月18日日曜日

紫陽花


 「いてもいなくても同じだよ」そんな雰囲気が漂う職場。
本音で言えば、早く辞めてくれたら助かるのにと上司の顔に書いてある。
そんな職場で生きるために働くわたし。

 ガンを罹患してから3年余り、半年の余命と医師に言われたながら、職場に戻れるまでに回復したのに現実は大変厳しいものになりつつあります。
がん治療をしながら働いていくのは体にも精神的にも「しんどい」ことなのですね。

  季節は梅雨の真っただ中、今年の梅雨は雨があまり降りませんね。
から梅雨なのでしょうか?梅雨末期に豪雨が降らなければいいのに。

 昨年の今頃はアジサイの花を見つめながら、来年の今頃はどうしているのか?
また綺麗なアジサイの花を見られるのか、思い悩んでいたのを思い出します。
1年は長いようで短い、そんな思いで見つめていた花びらに今年も出会うことができる。
命の強さか「しぶとさ」に生きていることへの感謝です。

 がん治療をつづけながら仕事の両立をめざし、はや半年余り。
長い間の休職から職場に復帰して喜んでいたのもつかの間、日に日に体調は悪化の一途をたどっているように感じています。
静かにそして確実にがん細胞が進行しているのか、前回書いた体の硬直も治まりません。
抗がん剤の副作用もしくはモルヒネの副作用?答えが出ないまま、仕事を続けていくことに不安がつのります。

 冒頭に書いた職場の雰囲気も心に重くのしかかります。
やはり、がん患者を雇用したくないのが会社の本音。がん対策基本法が整備され、企業が、ガン患者の雇用継続に配慮するように求められています。
しかし、まだまだ理解が深まっていないように私の会社では感じます。
同僚の視線や噂話に心が痛むこともしばしば、これからもこの会社で働いていけるのか?
圧倒的に弱い立場ですが会社と私との我慢比べですね。

 日々進歩する医療のおかげでガンに罹っても社会復帰できる道が開けてきました。
私のような悩みをお持ちのがん患者さんもたくさんおられるなか、働きたくても働けない方や病院のベットで日々苦しんでおられる方もおられる。
その方々に私の体験が少しでもお役にたてると信じて、このブログにて発信を続けていきたいと思います。
高額な治療費に生活を維持するためには体が続く限り働いていかねばならない。
「負けてたまるか」と心を強くしなければいけませんね。いつか訪れるその日まで。


 時代が変わりつつありますね。
国民二人に一人が罹患する病「ガン」今や誰もがいつ「ガンですよ」と宣告されるか分からない。しかし、抗がん剤の新薬や免疫療法などガンを取り巻く環境は日々変化しています。先日、野際陽子さんが旅立たれていきました。肺腺ガンで3年間も闘っておられたとか。つらい治療をしながらもお仕事にまい進されたと知り、悲しいことですが私はおおいに励まされました。
先の見えない戦いを私なりにできることを考えながらせいっぱい生きてやろうと思います。 薬の量を増やしたり、減らしたりと試してみるのですが効果のほどは望めない。
抗がん剤の効果が明らかに薄れてきています。
耐性といわれる時期にはいり、新たな選択肢が医師から提示されました。
いよいよ抗がん剤を変えることになりそうです。
医師は治験で効果が見込めた薬だといいますが、副作用も強く表れることは覚悟しておいてくださいと念をおされました。
また、一からあの苦しさを体験するのかと思うと心が折れそうになりますが、生きていくためには仕方がない、アジサイの花を見ながら前向きに考えていこうと思っています。

6月18日は父の日ですね。
娘から仕事に使うカバンをプレゼントされました。
家族はあきらめてなどいない。必ず「ガン」を克服してくれると信じてくれる。
その家族の思いを素直にうれしく思い、明日からのお仕事を頑張ろうと思う。
本人があきらめたら終わりですものね。


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